鍼灸に健康保険が使いづらい三つの理由 | 中野区東中野の鍼灸院 Five Elements

鍼灸に健康保険が使いづらい三つの理由

最近、お電話で「そちらは保険診療できますか?」と聞かれることが多くなっています。

もちろん当院ではお取り扱いしていないのでそう伝えるのですが、本当はもう少し保険診療について知っていただきたい気持ちがあります。

 

保険診療と言うと「安い」と言うメリットが一番に飛び込んできます。

最大のメリットですよね、私も安ければファーストチョイスとして考えます。

しかし効果や手間としてはどうなのでしょう。

以前、接骨院さんや整骨院さんのお話はしましたので今回はナシにします。

 

鍼灸で保険を適用できる症状がいくつかあります。

 

神経症・・・肋間神経痛など

リウマチ・・・関節が痛むもの

腰痛・・・慢性急性問いません

五十肩・・・肩関節周囲炎と言う正式名称があります

頸肩腕症候群・・・首や肩、腕がしびれたり痛むものや肩のこり

頚椎捻挫後遺症・・・むちうちなど

 

これらの症状に対しては健康保険を適用することができます。。。。。。。。。が。。。

どうして一般的な鍼灸院は保険を適用しないのでしょうか?

それには以下のような事情があります。

 

一つ目に、保険申請をする手続きが非常に面倒であるという点。

これは私たち鍼灸師側だけでは無く、患者さん側の手続きも含めます。

まずは医師の同意の書類が必要です、この書類は医師がその症状に対する治療を終えて鍼灸師に任せますという書類なので、なかなか書いてもらえないのと同時に、その症状については鍼灸院に通っている期間は医者にかかれなくなります。

知り合いに医師がいないとかなり厳しいのが現状です。

鍼灸師側にすると、さらにそこから保険申請の手続きの事務作業が多いので治療以外の拘束時間が増えてしまうのと、現金が入ってくるまでのスパンが長いなどの理由もあります。

 

二つ目に、非常に安価であること。

保険申請なので金額が決まっています、1人1回1500円ほどが保険診療の金額になります。

私たち鍼灸師は基本的に時間でいくらという設定をしたいとは思っていませんが、どうしてもそうしないとわかりづらいし明瞭な金額が設定できないのですが、1500円という金額は15分〜20分くらいの金額です。

他にも、時間あたりの売り上げというのも考え無くてはなりません。

1人の売り上げが1500円だとすると、1時間当たり3〜4人の方に施術をしなくてはいけなくなります。

もちろん、1人で対応できるのはどんなに頑張っても3人程度で、3人を同時進行すると1人当たりのクオリティがどうしても下がります。

そのため個人の鍼灸院ではなかなか対応できません、本当にきっちり15分〜20分で施術が終われるというなら別ですが、着替えの時間なども入れると非現実的です。

なので、クオリティを考えると30分で2人が限度ですが、30分で2人同時進行しつつ後の30分の患者さんに着替えて待っていてもらうと考えると、少なくてもベッドは4つ、助手が1人、受付1人が必要です。

それくらいの時間で症状を緩和できるかというと。。。。。ちょっと厳しいですよね。ある程度の効果は出ると思いますが。

そして、ベルトコンベア状態で針治療を受けたとして、満足度が上がるとも考えづらいですし、そうすると足も運んでもらえなくなります。

 

三つ目に、鍼灸師としての仕事ができなくなるということ。

自費治療以上の人数の患者さんに来ていただかなくてはいけなくなるため、人を雇い設備も整えていくのですが、そうなってくると院長自身は治療以外のマネージメントも増えてきます。

本来、自分がやりたいと思っていた治療もできなくなってきます。

そうなってくると鍼灸師というよりかは経営者になってきてしまうんですよね。

 

前にも少し触れましたが、整骨院というのは鍼灸は自費治療としてお金をとります、なので、鍼灸自体を保険適用しようと思うと・・・・

とても大変なのです。

保険は安くて便利という反面、自由に設定できる面が少なくなってしまいます。

患者さん自身も物足りなさを感じてしまう面も出てきてしまうのですね。

難しいところです。

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