価格破壊の行く末 | 中野区東中野の鍼灸院 Five Elements

価格破壊の行く末

ちょっと暗いお話になってしまうのですが、先日当院が鍼用品を仕入れている会社が倒産してしまったそうです。

本当に青天の霹靂に私も驚きましたが、何より驚いたのは営業さんだったようです。

突然「今日、会社がなくなりました」と言われたそうです。

業界でも結構大手で、私の母校や週一で勤めている治療院の企業などにも鍼灸用品を卸しているほどだったのでまさかそんなことが起きるとも思っていませんでした。

昭和の頃は永久就職という名の正社員雇用も現在では都市伝説のようになり、日本でも指折り規模の企業なんかも突然縮小だったり倒産してしまったりします。

 

今回の状態になってしまったのは、やはり業界全体の価格破壊が原因と言われています。

基本的に私たちは業者さんから鍼やお灸を購入します、その際にやはり定価よりは割安に販売をしてくれるのですが、インターネットの参入によりどんどんと安くなり会社を維持できないほどまでになってしまったそうです。

とはいえ、業者さんとインターネットの価格の違いは100円くらいなのです。

でも、この100円の違いは大きく、鍼を一箱売った時の利益は100だったそうです。

つまり、インターネットと同じ金額にすると儲けがなくなるのですね。

インターネット業者も利益40円とかで売っているそうです。

それではどこで儲けるのかというと、鍼以外の機材で儲けをなんとか捻出しているそうです。

 

私はなんでも安いものがいいとは思っていません、もちろん裕福なわけでもないので無駄に高いものを好むわけでもありません。

ただし、高いものには高いなりの理由があると考えています。

インターネットで注文をしたほうが安いのはわかっていました、しかし、何か新しいものが出た時に紹介してくれたり、いろいろと相談に乗ってくれるということはこの業界のことをわかってくれている営業さんがいて、対面販売をしてくれるからできることです。

もう一つは、安いからという値段だけでご縁を切ってしまうというのは悲しいお話ですし、なにより業界が萎縮してしまうと思うのです。

もちろん私たち鍼灸師もそんなに儲けられる職業ではないので経営は大変です、しかし、業界の為にも自分たちが新しい情報を得る為にも【安いだけ】で判断をしてはいけないのではないかなと思っています。

 

私もこのFive Elementsを開く時にいろいろ悩みました。

安くしようと思えば金額は安くできます、しかし鍼の質もそうですし個室制にしたりと全体的なクオリティを維持することを考えるとどうしても激安店にはできませんでした。

もう少しこの業界が認知されるといいなーと考えさせられる一件でございました。

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