熱中症の4タイプと対処法 | 中野区東中野の鍼灸院 Five Elements

熱中症の4タイプと対処法

この時期から毎年何人か道端で座り込んでいたり倒れてしまっている人を見かけることや介抱することが多くなってきます。

テレビでも熱中症に注意しましょうという話をよく聞きますが、実は熱中症というのは暑い時に体に支障をきたす4つの症状をまとめて熱中症と言っているのです。

とにかく熱中症の初期症状が出た時に自分自身で把握できているか、対処できるかが大切で、最悪は命を落とす危険性もあります。

それではざっと紹介していきましょう。

 

①熱失神(heat syncope)

めまいやたちくらみ、目の前がチカチカしてきたり気分が悪くなってきます、ふくらはぎが攣ってしまったり失神することもあります。

人の体は常に外気と触れていて、その温度差によって熱を体の外に逃がしています。

体温と気温の差が少なくなってきたり、運動で筋肉に熱がたまると効率よく熱を逃がそうと血液が大量に体を巡り始め、なるべく熱を逃がそうとします。

そうすると、一時的に脳の血液量が少なくなるので脳に運ばれる酸素量が少なくなるのです。

そのためにめまいやたちくらみが起きるのですが、一気に失神までしてしまうこともあるので熱失神と言います。

対処法としては、気分が悪くなったらすぐに日陰に避難して、水分塩分をしっかりととります。

軽いめまいやごく軽い悪心の時点でしっかりと休めば回復することが多いのですが、失神してしまっては大変なので助けを呼ぶのも手です。

頚動脈や腋窩、太ももの内側など、皮膚面に近い動脈が通る部分に氷水を当てて冷やすのが特に効果があります。

失神というちょっと怖い言葉が入っていますが、一番軽度の熱中症です。

しかし、重症度の高い失神まで一気に行ってしまう可能性もあるので軽くめまいを感じたらすぐに日陰に避難してください。

 

②熱痙攣(heat cramps)

暑いとどんどんと汗をかきますよね、でも汗って何でできているのでしょうか?

口に入るとしょっぱいのでわかると思いますが、水と電解質と言われる様々な成分で、一番多いのがしょっぱい元のナトリウム・・・塩分です。

汗で体内の水と塩分はたくさん外に出てしまいます、汗をかくので喉が乾きます、なので水をたくさん飲む。

すると・・・・・・水分だけは補給されるのですが塩分が足りなくなります。

さて、ナトリウム=塩分が足りないとどうなるでしょう。

ナトリウムは筋肉を調整する役割があります、そのナトリウムが足りなくなるので筋肉がうまく動いてくれません。

そのうち手足を始めとする様々な筋肉がつったり痙攣したりします、これが熱痙攣です。

 

喉が渇くというのはピンチサインです、暑い時は喉が渇く前にこまめに少しづつ水分と塩分を補給するのが一番の予防です。

とはいえ、以前テレビなどでスポーツドリンクがいいと言われて大量に飲んだら、それはそれでものすごい糖分と塩分になってしまったという話がありました。

スポーツドリンクを1:1で水で薄めるのが良いかもしれません。

スポーツドリンクは濃度で「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」があります。

有名なのはポカリスエットはアイソトニック飲料、ポカリスエット・イオンウォーターはハイポトニック飲料です。

熱中症になりはじめ(予防)の時はとても激しい運動をしている状態なので、アイソトニック飲料だと濃度が濃すぎて体がびっくりしていまします。

アイソトニック飲料はスポーツの後などにとるのは良いのですが、まさに激しい運動の最中などにとるとインスリンショックと言う状態になり、逆に低血糖になってしまったりします。

なので、アイソトニック飲料よりも濃度の薄いハイポトニック飲料を飲むのがベストなのです。

ちなみにドラッグストアなどにある「OS-1」は、熱中症になってしまったら飲むものですね、味が残念な感じなので、日常から飲むのは少しハードルも高めです。

熱痙攣になってしまったら・・・すぐに日陰に行き助けを呼んだほうが良いです。

痙攣で炎天下の中で動けなくなってしまってはさらに熱中症が進行してしまうからです。

 

③熱疲労(heat exhaustion)

言葉だけを聞くと疲労しただけでしょと思ってしまうのですが、重症度はこちらのが上です。

頭が痛くっなったり、嘔吐をしてしまったり、集中できないほど意識が朦朧としたり、全身の痙攣をおこしたり、失神してしまったりします。

めまいや筋肉がつったりするのが危険信号なのですが、それでも運動をし続けたり水分や塩分を補給しなかったりすると熱疲労になります。

この状態になるともう自分自身では対処できないので、近くにエキスパートがいなければ即救急車です。

とにかく全身の動脈路を氷で冷やしながら水分と電解質を補給します。

私も以前、無理をしすぎて熱痙攣をおこしたスポーツ選手を介抱したことがありますが、とにかく筋肉がつりすぎて痛い、この状態がまた起きると思うと怖くて夏に運動できないと言っていました。

水も電解質も足りない脱水症状をおこしています。

 

④熱射病(heat stroke)

熱疲労の状態で何も対処が出来ずに症状が進行すると熱射病になります。

ここまでくると命の危険があります。

脳には体温調節中枢と言われるものがあります、熱によって体温調整中枢までもが侵害されると、人は温度の調節ができなくなってしまいます。

ここまでくるともう汗をかく水分もなくなり、皮膚温が40度を超えてしまったりします。

熱疲労の段階ではまだ発汗もあり、体内の温度は高いのですが皮膚温は冷たいのですが、もうそういう調節もできなくなってしまっている状態ですね。

これも即救急車です。

 

この様に一言で熱中症と言っても症状は段階的に変化し、今ではこのような4分類ではなく重症度として判断する様な方法も出てきています。

熱失神だからと言って、めまい程度なら重症度はⅠ、でも失神までしてしまったら重症度はⅡです。

熱痙攣でもこむらがえり程度なら良いのですが、少しの放置で一気に全身痙攣してしあう場合もあります。

4分類として紹介をしていますが、まだめまいだから大丈夫とは考えずに、無理はしない様にしましょう。

めまいや少しの気分不快では気付かなくても、頭痛がしたり吐き気がしたら危険信号なので急いでクーラーの効いているところで水分、塩分をとりしばらく安静にしましょう。

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