この話は何回か当コラムでも書いているのですが、何回か書かないと最近このページを探した方はなかなか昔のものを発掘できないのではないかと言う思いと、大人の事情により何回か定期的に書いています(笑)
私も結構な腰痛持ちで、20代後半から30代中盤まで結構な頻度で腰を痛めていました(立てないくらいに)。
私は腰骨の一番下と骨盤の間がちょっとズレてしまいまして、これを【腰椎すべり症】と言います。
骨の関節が前後にズレてしまっているので、腰痛がひどい時には立てなくなったり足に痺れ(違和感)が出てきます。
これをなんとかするために初めは鍼灸院に通っていたのですが、鍼灸とペインクリニックを併用していました。
両方とも良いところ悪いところがあるのですが、やはり鍼の効きはよかったですね。
その後、鍼灸師の免許を取ったことで自分で自分の腰を治療するようになりました。
自分が腰痛になると、自分で腰痛が研究できるようになるんです。
そうすると自分で鍼をできるので、ここをなんとかすれば治るって言うのがわかるようになりました。
いつもは年に2-3回は歩くのが不安なほどの腰痛になっていたのですが、今は年に一度あれば多い方ですね。
今回のコラムは私自身が困っている腰痛をどうやって見分けてどうやって対応しているかにポイントを当てていきます。
①骨盤と腰骨の腰痛(L5-S1腰痛)
あまり専門的な言葉は使わないように心がけているので、骨盤とか腰骨と書きますが、専門的には5番目の腰椎(L5)と
仙骨(S1)あたりの腰痛です。
ここの腰痛は男性では一番起こりやすい腰痛です。
男女差があり、女性の場合はもう少し上の2番・3番あたりの腰椎近辺で起こる腰痛が多いのですが、男性の場合はこの下の方で起こる腰痛が多いです、これは骨盤の形が男女で違うのでその差なのではないかとも言われています。
私はここがズレているのですが、スポーツをしている人に多く、高校生の部活などで激しい運動をしている人やラグビー・アメフト・柔道・格闘技などの体に負担の強い競技をしている人にも多いみたいです。
私はスポーツ嫌いなのでやりませんがすべり症です。
と言っても、私のすべり症は30代に判明していまして、その原因はウエイトトレーニングです。
そして明らかなきっかけがあり、30kgのダンベルを置く時に節に負担がかかり、その場で動けなくなりました。
その後、1週間ほど動けないほどの痛みがあり、レントゲンですべり症と言われました。
ここら辺の腰痛は、かなり深めに鍼を刺さないとダメなことが多いです。
比較的痛みがなくなるまでに時間がかかり、一回でホラ治ったと言うふうになるのは半分半分くらいです。
腸腰筋という腰から前の骨盤の方に繋がっている筋肉の場合も原因になってる場合があり、そこに鍼を入れるには短い針ではあまり届かないように感じます。
ここの鍼を入れる場合には、明確に刺した時に「ヒット感」が出ることが多いので、『当たった!!』という場所にしっかりと鍼を入れてパルス(低周波)を流すことでかなり改善すると思われます。
②腰の上の方の腰痛(L1-4腰痛)
女性の方に多かったり、男性でも姿勢が悪くてここら辺が痛いという人も多いです。
この腰痛は個人的には鍼で1番改善しやすい腰痛だと思います。
少し短めの鍼でも患部に当てやすく、低周波パルスを流した時に簡単に反応してくれます。
筋肉としてもあまり複雑な構造になっていないので、セオリー通りに鍼をしていれば一発で改善してくれる場合も多い場所です。
ただし、疲労しやすい場所ではあるので気軽に痛くなりやすい(?)場所でもあると思います。
③骨盤の腰痛
私自身が1番改善するのに時間がかかるなと思っている腰痛です。
まず、腰痛と言われてここに原因があるということを知らない鍼灸師もいます(この部分が腰痛になったことがない人)。
そうすると、腰痛の時はここに刺しましょうねと教科書通りに鍼をしても、ここに鍼を入れなければ全く変わらなかったりするんです。
ただ、ここに鍼を刺す鍼灸師ってあまりたくさんいないような気がします。
体格によって異なるのですが短めの鍼でも良いので、しっかりと仙骨に当たるくらいに鍼を入れ低周波を入れることで、かなり効果が変わります。
ここに原因がある場合、鍼を入れるか入れないかで結果がかなり変わってくるように感じます。
④これって腰痛なの?臀部の痛み
腰のあたりが痛いんだけど、どこが痛いのかよくわからない。
これ腰痛?でもお尻も痛い。
と言うような意見の場合にはここにも注視します。
私自身も、自分で押して探っていくと痛いのは腰なんだけど原因は臀部だなと思うことがあります。
これが1番判別しづらく、本人は腰痛だと思っているから全然改善しないと言うことが起こります。
私の場合は仙腸関節と呼ばれる仙骨と骨盤が繋がっている部分が良く痛みます(梨状筋部分)、ここの部分の腰痛は整体をやっている人なら結構疑う部分なのですが、解剖学的には【動かない関節】なので、ここに痛みが出ると思う人は少ないようです。
しかし、動かないと言ってミリ単位では動くらしく、そのわずかなズレでかなり痛みを発したりします。
そのほかにも坐骨神経の出口あたりの筋肉(梨状筋症候群なんて言ったりします)が硬くなることで坐骨神経痛が発生し、その痛みを腰痛と認識してしまったりしている場合も多いのです。
なので、この臀部の痛みに関しても痛みがあるところを探って鍼を入れるのですが、ここの場合はかなり長い鍼がないと効果を出しづらいです。
体格が大きければ大きいほど10cmくらいの長さのある鍼を使用しなければ患部に届かなかったりします。
寝ている状態で鍼をするよりも、立ったり座った状態で鍼をした方がわかりやすい気がします。
私自身で鍼をする場合は、自分自身で患部が分かるために寝ながらやるのですが、それでも横向きで寝ている状態で鍼をするのが1番わかりやすく効かせやすいです。
患者さんに鍼をする場合は、うつ伏せ状態で効かせやす場所に鍼をした後、座った状態で患者さんに意見を聞きながらダメ押しで鍼を入れます。
この時に座った状態だと坐骨神経に鍼が当たりやすいので、ビリっとした電気刺激が出てしまう場合があります。
しかし、驚きはしますがよほど無理に入れなければ傷つくことはないので、予め言っておくと大丈夫なことが多いです。
以上の四つが私が日頃自分で実感できる腰痛とその対処法。
そして、私自身の痛みを考慮した患者さんに対する鍼対応です。
ただし、これは余程腰痛に慣れていて、かつ解剖学的な知識がないとみなさんが判別するのは難しいと思います。。。
これらの腰痛は傷んだら放って置かないのが1番大事なんです、怪しいなと思ったらすぐに対応する。
なので、ちょっと不安だなと思ったらお気軽に相談いただいた方が改善が早いですね。
動けなくなってしまった腰痛は、元に戻すのも時間がかかるのです。