本日はちょっと理解しづらい東洋医学のお話をなんとなくわかっていただければなと思います。
東洋医学には陰陽論と五行論と言う二つの大きな柱があります。
五行論というのはすべてのものを木、火、土、金(金属)、水と言う五つの属性に当てはめる考え方で、当院のFive Elementsと言う名前の元になっている言葉です。
陰陽論とはこれも同じくすべてのものは陰と陽に分けることができると言う考え方です。
陰と陽はお互いがお互いに依存していて、陰の中に陽があり、陽の中にも陰がある。
どちらが善でどちらが悪と言う訳ではありません。
ゲームをやる人であれば、五行論は魔法の有効属性や苦手属性みたいになんとなく思いつく様に、そういうゲームの元になっている考え方です。
例えば、木は火を産むが木は金に弱い。火は土を産むが火は水に弱い。土は金を産むが土は木に弱いなどなど。
こういうものを治療に当てはめていきます。
それでは陰陽論はどうなっているのでしょう。
人の体には陰の気と陽の気があると言われていて、正経十二経脈と言う言葉があります。
まず、全体面から見て陰陽の気のバランスというものがあり、陰の気が少なくなれば【陰虚】、多くなれば【陰実】、陽の気が少なくなれば【陽虚】、多くなれば【陽実】となります。
足りない時が虚、多い時が実ですね。
まず、実の状態と言うのは基本的には体の外部から邪が入り余分なものが入っている場合のことを指すことが多いです(この辺は鍼の流派により考え方は様々です)。
陽実や陰実はカゼの時の悪寒発熱を思い浮かべてもらうとわかりやすいと思います、余計な風邪(ふうじゃ)が入り込んでしまっている状態ですね。
陽の気が減ると【陽虚】になり、疲れやすくなったり冷え性になったりして、原因は加齢による気の衰退だったり臓器の異常で陽の気が生成できなくなったりすると起こりやすいです。
隠の気が多くなると【陰虚】となり、体が火照ったり熱っぽいなと思って体温計でいくら測っても平熱と言うような状態で、働きすぎ睡眠不足が原因だったりすることが多いです。
何となく皆さん心当たりないですか?
陰虚は特に現代の方に多く、病院に行っても風邪の初期症状と言われてしまうのですが、東洋医学から見ると風邪のように外から余計なものが入ってきているのではなく、自分の中の問題だったりします。
正経十二経脈というのは、人の体六蔵六腑に割り当てられた気の流れです。
陰経六、陽経六で十二経脈。
陰は肝・心と心包・脾・肺・腎
陽は胆・小腸と三焦・胃・大腸・膀胱
心包と三焦って何?って思いますよね。
目に見えない臓器で、心包は心(心臓)を包んでいる臓器、三焦とは上焦・中焦・下焦の三つを合わせた水の通り道でやはり見えない臓器と言われています。
東洋医学では臓>腑となり、臓の方がえらいのです。
もちろん腑にも大事な役割はたくさんあるのですが、重要なのは臓。
その中でも「肝腎要」なんて言うように、肝と腎がとても大事で、その肝と腎の大元になる脾がすごく大事と言われています(肝心要は肝腎要から変化したものと言われています)。
肝は陽の気が旺盛な臓器で、腎は陰の気が溜まっているところ。
陰と陽は互いに引っ張り合うので、肝と腎も互いに引っ張り合っています。
肝は怒る感情をつかさどっているので、頭に血が登りやすく怒りやすいという人は肝の陽気が旺盛なタイプです。
肝にも陰の気と陽の気があり、陽の気を一生懸命陰の気が抑えているのですが、何かしらの理由で陰の気が少なくなると陽の気を抑えきれずに陽気が体の上まで昇り怒気が爆発・・・なんてことがあるのです。
さて、肝も陰気が足りなくなってくるとバランスを保てないので、どこかから陰気を借りてきます。
一番陰を溜めている腎です。
ここで、更に疲労がたまると腎の気もなくなってきます、そうすると、もう肝の陽気をとめられません。
よく言う足は冷えるのに顔や手は火照るという状態ですね。
陽は火で陰は水に例え、水で体を冷やしているのですが、水が足りなくなるので冷やせなくなると言う例えをすることが多いのですが・・・
これも流派によって異なるのですが、陽はエネルギーで陰はオイルと言う考え方のがしっくりくるようです。
陽とは気のことで、陰とは血(けつと読みます)。
血とはエネルギーの塊で、血をつかいすぎるとどんどんとエネルギーを発生してしまう。
普段は冷却オイルのような働きをしているがそれ自体も燃えてしまうと言う考え方みたいですね。
と書いてくるととてもマニアックでわかりづらくなってしまうのですが・・・・・・・・
つまりは陰と陽の気があって、体全体で見るとその陰と陽がお互い引っ張り合って均衡を保っている状態が健康。
臓腑にも陰と陽があって、そのバランスが崩れると全体の陰陽も崩れ不調になる。
と言う感じなのです。
腰痛と一言にいっても虚の腰痛と実の腰痛があり、その時その時で対応が違かったりするんですね。
なんとなく鍼灸師がこんなことを考えながら鍼をしているんだなということがお分りいただければ幸いです。