百聞は一件にしかず。
この仕事を始めてからこの言葉を実感することが多いです。
私は腰痛に関しては比較的得意としています、それは私が腰痛持ちだということが関係していて、自分で自分の腰を治しているからなんですよね。
どういう痛みでどこらへんに鍼をするとどうなるかというのを自分で身を以て知っているからなんです。
仙骨あたりの腰痛、腰椎と仙骨あたりの腰痛、腰椎周りの腰痛、腰痛に見えて実は臀部や仙腸関節が原因の腰痛もどき。
自分で自分に数え切れないくらいの鍼をしています。100回なんかじゃきかないのではないでしょうか(笑)
そして、今回めでたく(?)肩関節周囲炎になりました。
とは言え、診断が出たわけではなく、私自身が勉強してきた肩関節周囲炎の症状とほぼ同じものが現在私の方に発生しているという感じです。
原因はウエイトトレーニング、このコロナで2月終わりから私はジムには行かずに自重トレーニングをしていました。
4月になり、個室のプライベートジムでトレーニングを始めたのですが、久しぶりということもあり少し張り切ってトレーニングをしたのだと思います。
先週のトレーニングが終わった翌日、かなりきつい肩の痛みが発生しました。
寝ている間も腕が動いたりすると痛むので、「あー、これはマズいな」と思いながら寝ていました。
その翌日くらいから、腕を動かすと痛くて方に熱感もあったので、これは炎症があるなと感じました。
私は25年ほどジムでトレーニングをしているので、筋肉痛と炎症の痛みが違うものなのはわかります。
ただ、一般の人は絶対にわからないし、今回は私でさえもしかしたら筋肉痛かなと思うような痛み方でした。
これほど長くトレーニングをしていると、一般の人が久しぶりに運動した時に起こる筋肉痛のような痛みはしません。
しかし、筋肉痛って多少は痛むのでそういう筋肉系の痛みには慣れているのですが、それでも痛いと感じました。
肩関節周囲炎の独特な痛み方は「エンドフィール」と言って、ある一定の場所までは動かしてもあまり痛くはないのですが、その場所以降はかなりの痛みを発するのが特徴です。
ただ、発生当初はその区別がつきにくく、一定の場所までも痛い、そのあとはさらに痛いというような感じでした。
ただ、これも私が痛みに慣れているからこうやって動かしたりできるのですが、慣れていない人は少し動かしただけでも痛く、その後耐えられないくらいの痛みなんだったと思います。
さて、ここで私は自分の体で実験することにしました。
肩関節周囲炎は急性期には痛みが激しく、その後可動域制限(動かせる範囲が狭くなる)が出てきます。
これを起こさないためには痛くても動かすのが大事なんです。
肩関節周囲炎というのは、肩を包んでいる関節包が炎症→硬直(硬くなる)することで動かなくなってしまうのです。
実際は動かないというよりも、動かそうと思うと激しい痛みが出るので結果動かせなくなるんです。
なので、この1週間、痛くてもずーっと肩のストレッチを続けてきました。
トレーニング後やお風呂の後にはアイシングを行い炎症を進行させないように努め、ストレッチストレッチ・・・
1日に一度鍼をしてさらに腕を動かす(鍼をすることで痛みを麻痺させたり筋肉を緩めて動きを出すことができます)。
その結果、かなり改善してきた上に可動域で威厳も今のところ出ていません。
ただし、まだ一定の範囲をすぎると痛みが出たり、寝起きは動きが悪く痛むので、朝起きたら寝ながら方をゆっくりストレッチすることから始めています。
この結果、やはり早期からしっかりと鍼を使って緩めることが大事なのですが、鍼を使う場合は高頻度でしっかりと行うことが必要なため、一般の方がここまで鍼をできるのかなと思ってしまう部分もありました。
また、私は確信を持って鍼をしストレッチをしましたが、大抵の人は1週間痛みが治り切らななければ疑心暗鬼になります(徐々に痛みがなくなってきますが、回復幅が緩やかなので当初の痛みを忘れてしまう)。
こう言った状況を踏まえて、肩関節周囲炎の疑いのある方の場合は短い時間の鍼を高頻度で行う必要もあるのではないかと考えました。
なのでそういう施術プランも考慮しながら説明をしていかないといけないなと痛感しましたし、かかる金額と放置した場合のリスクも説明できるようにならなければいけないなと感じました。
人体モルモットもどうかと思いますが、自分の体なのでまぁ良しとします(笑)
結果良くなっているので、ある意味きちんと治療できているのでしょうね。
正直、教科書にある「肩関節周囲炎の時はここに鍼をしましょう」と書いてあるところに鍼をしても、これじゃぁダメだなと思います。
実際に自分の体で試した時に、しっかりと痛みのあるところにダイレクトに刺さないとダメなのですが、その範囲が直径1cm以内のポイントだったので、しっかりと確認しながらそこにダイレクトに鍼を入れることができるかどうかという感じでした。
自分の感覚が感じられないところに鍼を入れるのって本当に難しいんです。