エタノールの使い方 | 中野区東中野の鍼灸院 Five Elements

エタノールの使い方

昨日はマスク、今日はエタノールの紹介です。

このエタノール、左から「エタノールIP」、「消毒用エタノール」、「無水エタノール」です。

当院で通常使用しているのは左のエタノールIPやエタノールMIXと言う商品です。

この商品が1番安価で500mlが450-550円程度で購入することができます。

消毒用エタノールは900-1100円くらいで販売されています、無水エタノールは1300-1400円くらいでしょうか。

それではこの三つ、何が違うのでしょうか?

 

①エタノールIP(MIX)

IPやMIXというのは商品名なのでメーカーによって違います。

これだけずば抜けて安いですよね?

今回のウイルスパニックでもこの商品が真っ先になくなりました。

この価格差はどうしてだと思いますか?

とても簡単な理由なんです。

 

酒税

 

このエタノールIPにはイソプロパノールというものが入っていて、この成分により「飲めない」エタノールに仕上げています。

なので酒税がかからないんですね。

反対に言えば消毒用エタノールや無水エタノールは飲める・・・・・訳ではないのですが、お酒に入っているアルコールはエタノールなので税金がかかるのだと思います。

無水エタノールは99%以上の純度にするためにベンゼンを入れているらしいので、これは飲めません。

消毒用エタノールは80%程度の濃度なので、、、飲もうと思えば飲めると思いますがやめた方がいいと思います(笑)

 

通常、皮膚消毒に使うのにはこの安価なエタノールIPが絶対におすすめです。

 

②消毒用エタノール

上でも少し書きましたが、エタノール濃度を80-85%程度に薄めた(というよりそれより高純度に精製していない)ものです。

エタノールというのは濃度が高い方が殺菌力が強い訳ではないので、この濃度が1番殺菌に適しています。

ただし、手指消毒などの手軽な殺菌にはここまでの純度も必要がない場合があるので、多少薄めてもいいかもしれません。

医療用に確実に殺菌したい場合に使用されます、添加物も入っていないので税金がかかり高価です。

 

③無水エタノール

エタノール濃度を99%以上に高めたエタノール。

消毒用ではない「エタノール」と言う製品は95%くらいの濃度なのですが、それにベンゼンなどを加えてさらに純度を高めたエタノール。

多分、通常精製の限界が95%くらいなのでしょう。

スピリタスと言うポーランドのお酒が96度(%)で、じゃがいもを数十回も蒸留して作るのだそうです。

つまりそれが限界、と言うか、スピリタスなら確実に消毒用に使えます(笑)

このエタノール(95%以上)のエタノールは普通に引火するため火気現金です、ポーランドでもこれをストレートで飲む人なんていないそうです。

では、なんで消毒用エタノールの方が濃度が低いのでしょうか?

それは揮発性です。

消毒するためには皮膚に塗らなくてはいけないのですが、度数が高いと塗った瞬間に乾いてしまうので塗れないんです。

だから、無水エタノールはお掃除などに使われたり、電気機器の掃除に使われたりします。

本来なら無水エタノールに水を入れたら精製した意味ないじゃんって思うのですが、エタノールが売り切れているときには仕方がありません。

つまり、無水エタノール80mlに蒸留水20mlを入れれば80%の皮膚消毒液の出来上がり。

手指消毒なら70-30でもいいかも知れませんね。

 

薬局に行ってもあまりわからないエタノールのお話でした。

でも、これよりも大事なのはやはりうがい手洗いです。

玄関先にスプレーで置いておいてまずは消毒、そしてゆっくり手洗いという使い方が1番効果的かも知れません。

また、エタノールはそんなに作るのが難しいものでも無いようなので、焦らずに補充されるまでは無水アルコールで代用という感じでいいのではないでしょうか?

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