私の知人が先日当院へ鍼を施術しにきました。
身長180cm×体重100kgくらいで、数年前にはボディビル大会に出た経験もあるらしいです。
今回は腰部の痛みと肩の痛みです、トレーニング時に肩の運動時痛がするとの事で来院したのですが、知人ということで気が緩んでいたという事もあり、直近の腰痛ばかりに気を取られて肩への鍼を忘れてしまいました(笑)
肩の痛みを改善して、また大会を目指したいという希望です。
【元】とは書きましたが、かなりしっかりトレーニングをこなしているので、オフシーズンのボディビルダーのような体格です。
まず、これくらいの身長体重だと腰臀部も相当な厚みになります。
刺さっている鍼はとても長いのですが、ほとんど根元まで入ってしまいます。
一見痛そうに見えるのですが痛みはほとんどありません、奥の方にズーンという重だるさがある感じです。
付いているコードには低周波を流していて、筋肉を1秒に1回トックントックンと動かしていてポンプ作用で血液循環を促し、筋肉を弛緩させます。
血液循環が良くなる事で、筋肉中の疲労物質や発痛物質を流すという効果があり、これによって腰痛はかなり軽減される場合が多いです。
しかし、動かしているのは腰のかなり奥の方でして、そこまで鍼が届かないと痛みを発している筋肉まで届かなかったりします。
なので、かなり深くまで鍼を入れ、原因の筋肉に届かせます、紫色の鍼で6cmくらい入っていますが、他の鍼はもう少し長いものもあります。
鍼の上にお灸が乗っているものを「灸頭鍼」と言います、これも一見強力そうなのですが、最も安全でポカポカと暖かいやり方です。
黄色い丸いものは「生姜灸」、この時期に多用するのですが、お灸の暖かさと生姜の薬効成分を効かせたお灸です。
これも熱くなるころには取ってしまい、何回も同じように温めていくのでとても体が温まります。
背骨の横の筋肉に鍼を連続で刺していますが、特に腰と肩甲骨の間がパンパンに張っていたので鍼でしっかりと緩めつつ、お灸でダブル弛緩を試みています。
首肩周りは長い鍼は使いません。
短めの鍼で緩めていくのですが、一般の方よりも広背部がかなり広いために感覚がわからないときちんと筋肉に当てることが難しいのもゴツい人の特徴です。
首からつながる僧帽筋の上部なんかも一般の方よりもかなり筋量が多いので、何本も鍼が必要になります。
首も厚いのでかなりしっかりと刺さっていますね、女性の3-4倍くらいの太さがあるので、これくらいしっかり刺さないと届きません。。。
これだけの鍼の量を使いながら低周波で筋肉を動かしながらお灸という荒技を使っていますが、これくらい手早くやらないと60分ではとても終わりません・・・
実際に、下肢に関してはベース程度の鍼しか刺していません。
さっきも書きましたが、紫の鍼は7cmある鍼ですが・・・
しっかり刺さっていますよね?
心配になるかもしれませんが、大腿部で女性の胴回りくらいあるので、刺しすぎているのではなく脚が太すぎるんです(笑)
体格が大きいので、かなりの本数の鍼を刺していかなくてはならないため、これで脚まで症状がある場合では90分でお時間を取らせていただく場合もあります。
さらに仰臥位(あお向け)でも筋疲労があったりすると・・・オイルなしの120分コースになったりもします。
これを見ると痛そうとか辛そうと思うかもしれませんが、結構みなさんスヤスヤと寝ています。
そして、これだけしっかりやるのできちんと鍼の効果を実感してもらえることが多いです。
ここに肩の痛みが入ってくると、肩への低周波を使ったりするので、結構時間はかかってしまいますね。
今回は写真に残していないのですが、これくらいの筋肉量とトレーニング量のある方にありがちなのが大胸筋の腕側付着部の痛みと上腕二頭筋のオーバーワークです。
仰臥位で今回はしっかりと鍼をして緩めていますが、特に上腕二頭筋はなかなかストレッチのしづらい筋肉なので、鍼でしっかりと緩めることでコンディションが改善したりします。
もちろん7cmの鍼を刺しています(笑)
今回、痛そうなのにも関わらずこの写真をなぜ載せたのかと言いますと、私もこの方まではとても筋量はありませんがそこそこトレーニングをしています。
なので、トレーニングをしているとどういう場所にどういう症状が出やすいかというのを身を以て知っているというのがあります。
上腕二頭筋や大胸筋付着部もそうですが、腰のどの辺りに痛みがあればここに鍼をすると効きやすいというのも、日ごろ自分で腰に鍼をしているので何となくわかってくるんですね。
表面だけの鍼ではあまり効きが良くなくても、深くしっかりさすことでガツンと効く。
その結果、トレーニングのパフォーマンスも上がり、トレーニング頻度を上げることができる。
そんなことをしているうちに男性の来院数の多い治療院になってしまいました(笑)
もちろん、一般の方や女性に対する鍼も普通に行っていますが、こういった体の厚い方に対する鍼というのは慣れていないとなかなか難しいものがあります。
もし、鍼をしたことがあるけど効きが悪かったという方がいれば、ぜひ一度当院にお越しくださいませ。
まずはお問い合わせだけでも大歓迎ですよ。