鍼灸院に来る方の多くは肩周りや腰の悩みを抱えている方が8-9割を超えます。
その中で厄介なのが五十肩。
五十肩っていうものにはきちんとした定義があります、この定義は医師の方でもたまに知らない方がいらっしゃるようなのですが、正式には『肩関節周囲炎』というものです。
よく、原因がわからない痛みだから五十肩と言う風に話す方が多いのですが、実はそれは違うのですね。
50代なら五十肩、40代なら四十肩と言うのはちょっと違うお話なのです。
肩関節周囲炎というのは、何かしらの原因で肩の関節包という膜が炎症を起こしてしまい、それが進行して固まってしまったことによる痛みを発している状態を言います。
特徴としては髪を結ぶ動作、帯を結ぶ動作をした時にエンドフィールと呼ばれる痛みを発します。
エンドフィールというのは、手を上に上げて行った時に90度までは全く痛くないのに90度を超えるとズキッと突然痛むような痛み方です。
この肩関節周囲炎にはまず原因となる炎症があります、これは何かしらのきっかけでなるのですが、そこから炎症期と言って何もしなくても痛い、寝ていても痛いという状態を経過したのちにこのエンドフィールを感じるようになります。
この肩関節周囲炎は一度の鍼灸などで改善するものではなく、きちんとリハビリをしなくてはいけません。
整形外科や理学療法士がいるようなところで、週に3-4回ほどきちんとリハビリをして、固まった関節包を緩めていくのです。
わざと痛みが出る方向に動かして行って緩めていくのですね。
もちろん鍼灸で対応もできるのですが、かなりの回数を通わなくてはいけなくなるのでコストがかかります。
鍼灸を使う場合は、リハビリである程度まで回復したのちに、どうしてもここから先は厳しいという状況になってからではないかなと私は考えています。
「お友達に五十肩と言われたから」
そんな感じで気軽に五十肩と思ってしまう方も多いのですが。。。
実はきちんと定義があるっていうことは覚えておいてくださいね。