本日の【日経ビジネスオンライン】に取材記事を掲載させていただきました。
ちょっとスパイスの効いた感じのことを言っていますが、単刀直入に言うと自律神経というのはとても大事なんですっていうことですね。
当院によく来る悩みで、夜に寝れない、寝付けない、眠りが浅い、朝早く起きてしまうというような話をよく聞きます。
ちょっと鬱症状が出始めてしまっている場合もあったりするのですが、これらは忙しい毎日で交感神経が優位になりやすくなって、副交感神経が働きにくくなってしまっているために眠りに集中できなくなってしまうんですね。
鍼というのは面白いもので、そういう自律神経を調整するのにとても役にたつようです。
あとは、オールリセットのようなオイルを使うものだと心地よさがあるので、それだけでリラックスできたりもします。
意外と知られていないのは、血行がものすごく良くなるので、疲れてその夜はぐっすりを眠れるという話を本当によく聞きます。
後日、数ヶ月ぶりに寝れましたなんて話をしていただけることもあります。
良く腰痛や肩こりでいらっしゃる方も多いのですが、そもそもその原因がストレスだったりもします。
あと、腰痛や肩こりなどの筋肉が由来の症状に関しては、自律神経に対する鍼よりも効きがいいですね。
家族に抱えられてきた方が一人で歩いて帰られたりするくらいです(笑)
怪しい世界に思われがちですが、半分は科学的な見解から、もう半分は東洋医学という分野から症状を見ます。
本当にロジカルですよ、こういう症状とこういう症状があるからここが怪しいということがしっかりと組み立てられます。
「うーん、気が乱れていますね、私には感じます」
みたいな世界ではないです(笑)
当院には疲れたビジネスマンの方達が本当にたくさんきます。
リラックスを体感できれば仕事以外にも何かしら楽しみが見出せ、ダラダラ残業ではなくきっぱりとオンオフを切り替えられるかもしれませんね。
以下記事本文。
先進国の中でも最低レベルにある日本企業の生産性。大手広告代理店の過労死事件などもあって、全国的に働き方を見直す動きが高まっている。一億総活躍社会の実現を掲げる安倍政権も長時間労働の是正に本腰を入れ始めた。
だが、国や企業が様々な施策を打ち出しても、当の働く社員達が本気で働き方を変えようとしなければ、残業削減はままならない。日本企業の社員の中には、大した仕事もないのに頑なに残業を続ける人がいるのも事実。
「残業代が減るとローンが払えない」「家に帰っても居場所がない」――。
理由は様々だが、そんな“残業好き社員”が所属長クラスになった暁には、部署全体に「有給なんて、とんでもない」「定時帰りなんて、ただじゃおかない」的な空気が漂うのは時間の問題だ。
そうした中、「部下であれ上司であれ、残業が多い社員には、たっぷりお灸を据えると良い」との主張を掲げる鍼灸師がいる。“残業好き上司”に日々悩まされている社員には願ってもない話だが、どうお灸を据えるのか。
詳しい話を聞いてきた。
聞き手は鈴木信行
−−非常に斬新な残業防止策だと思います。どんなに口酸っぱく言っても働き方を見直そうとしない“残業好き社員”も、所詮は人の子。終業時間と同時にアタマにもぐさを乗せられ火を付けられれば、さすがに帰宅するに違いありません。働き方も根本的に見直すでしょう。オフィスで煙を出すと火災探知機が作動するのではないかなど、心配な面もありますが。
坪井:あのー、少し誤解されているようですが、私が言っているのはそういう話ではありません。
−−ああ、なるほど。“お灸”というのは物の例えでしたか。ではどんな“お灸”がいいんでしょう。「残業したら罰金」「残業したら降格」。いろんな“お灸”があると思いますが。
坪井:いえ、物の例えでもなく、私が提言したい残業対策には、やはり実際に鍼灸を活用します。
−−ほう。とりあえずお話を伺いましょうか。
鍼灸で残業を減らすメカニズム
坪井:ここ最近、社員の残業が増えることに敏感になっている企業が多いと聞きます。私も鍼灸師をする前、企業に勤めていた時期がありましたが、その頃は残業が美徳とされる時代でした。私自身は「残業はプライベートを圧迫する」という考えでしたので、どうして残業しないのかと会社から注意されていた記憶があります。ところが今は逆だと言う。社員の残業を増やせと言うならともかく、減らせと言うなら鍼灸に出来る事があります。
−−それは初耳です。
坪井:残業が発生する理由はいくつかあると思います。一つは「作業量と処理能力が一致していない場合」です。これについては、適切な人員配置などにより会社側がその社員の仕事量を見直すしかなく、鍼灸の力を持ってしても如何ともし難い面があります。しかし、「作業量は適切なのに、本人の作業効率が高まらず仕事が終わらない場合」であれば、鍼灸による改善が考えられます。
−−どのように?
坪井:社員本人は一生懸命やっている。なのに、細かなミスが多くなったり、上手く頭が働かなかったり、本人も気づかないうちに効率が落ちてしまい、残業してしまう――。そんな方は、往々にして、自律神経のバランスが崩れている恐れがあります。人の体というのは自律神経に支配されています。自律神経というのは交感神経と副交感神経という二つの神経がシーソーのように上がったり下がったりするシステムで、片方が優位の場合は片方が劣勢になります。
例えば、昼食後に寝ていたり、ぼーっとしている社員がいますよね。
−−います。
坪井:あれは気合が入ってないのではなく、自律神経的には当たり前のことなんです。物を食べると人の体は副交感神経が優位になり、消化器が活発になります。それで上手く消化出来るのですが、副交感神経が優位になると体はリラックスし、眠くなってきます。そのぐらい自律神経は人間が活動する上で大切なのですが、そのバランスが崩れると、交感神経を高め集中しなければいけない時間帯に、副交感神経が働いて効率が下がってしまったり、逆に、リラックスしなければいけない時間帯に、交感神経が働いて意味なく頭が冴えてしまったりします。
「残業ダラダラ社員」は自律神経に問題がある
−−その結果、例えば夜眠れず、昼間ぼーっとしてしまい、作業が進まず残業が増えてしまったりする、と。
坪井:そもそも、現代社会には様々なストレスが溢れています、通勤電車の中、仕事の人間関係…。言いたいことも言えず我慢を強いられることも多い。ストレスは東洋医学で言う「肝」に影響します。「肝」は自律神経も司っているので、肝が乱れると自律神経も乱れるのです。
鍼灸はそうした自律神経のバランスを整えるものだ、と。
坪井:鍼灸は東洋医学に基づいています、東洋医学では心と体は別々に考えません。互いに影響をしあうものとして、心と体が総合的にバランスよく釣り合うことが健康であると考えるのです。例えば、「内関」というツボは安神作用があり、自立神経の乱れを安定させるなどと言われています。東洋医学は一箇所を治すのではなく、複雑に絡み合った症状の原因を正し、正常に巡るよう導く作業なのです。怪しい世界と思われがちですが、きちんとしたロジックに基づいて鍼や灸を使用しています。
――そうなんですか。
坪井:効くか効かないか分からない曖昧な世界と思われがちな鍼灸ですが、じわじわと効くものなので変化が分かりづらいだけだと思っています。鍼とお灸、一番手早くできて心地よく、しかも自分でできるのはお灸です。数年前に「お灸女子」などという言葉を聞いたことがありますが、お灸男子でもいいのです。お風呂が好きな方も多いように、暖かさと言うのはリラックスにつながり、副交感神経を優位にする働きが高いように感じます。
――自律神経ではなく、腰や肩が痛いなど体の慢性的なこり・痛みで効率が高まらず、残業してしまう社員もいると思いますが、そういう人にも鍼灸は効きますか。
坪井:自律神経の調整に比べ即効性があり、鍼灸の効果をより実感しやすいのが腰痛や肩こり、筋肉疲労などです。現代の会社員は仕事ではパソコン、プライベートではスマートフォンなどにより目や首の回りを非常に酷使しますし、疲労により「腎」の領域である腰を弱めがちです。じっくりとお灸をして温めるのもいいし、鍼もガツンと効きます。血行を促進し血液内の発痛物質を流すのです。
――なるほど。ただ、それだけでは、鍼灸で残業社員を撲滅するのは難しい気がします。
坪井:なぜです?
「家に帰りたくない社員」にも鍼灸が効く可能性
――「残業の多い社員」=「効率的に働きたくても体が言うことをきかない人」ではないからです。中には、健康なのに「家に自分の居場所がない」という理由で、無駄な残業をしている人も少なくありません(スペシャルリポート「残業が減らないのは家に帰りたくないから」(参照)。そうした人たちには鍼灸は通用しないのでは?
坪井:いえ、大丈夫です。鍼灸は、「仕事が終わらないのではなく、家に帰りたくないから残業している」という社員にも、効果をもたらす可能性があります。
――本当ですか。
坪井:家に帰りたくない理由には、「一人だと寂しい」とか「家庭に何かしらの問題がある」など様々なケースが考えられますが、私は「そもそも早く帰っても何をすればいいのか分からない人」が増えているのではないかと思います。ここにも自律神経が関係しているというのが私の考えです。仕事が忙しく、交感神経から副交感神経への切り替えが上手にできず、その結果、「仕事以外に何をすればいいか思い浮かばない」という状況に陥っている可能性です。つまり、リラックスできづらい体になってしまっているのです。
――自律神経のバランスを整えると、仕事以外にやってみたいことが思い浮かんでくる。その結果、残業を減らして効率的に働くようになる、と。
坪井:その可能性はあります。
――会社員の現状に非常にお詳しいですが、お客さんには男性社員が多いのでしょうか。
坪井:世田谷と言う場所柄か、忙しくお仕事をされている方が多く、出張や会議のストレスでぐったりした方がよくいらっしゃいます。中には、房総半島の方や神奈川、埼玉などから来る方もいらっしゃいます。
――そんな遠方から来るとは、何か他の鍼灸院にないメニューなどがあるんですか。
男性専用メニューがある利点
坪井:男性専用コースというものを用意しており、それを目当てにいらっしゃる方が多いですね。鍼灸院の世界でも「女性による女性のための治療」はよくありますが、「男性による男性のための治療」というのはあまり見かけません。ですが、男性の体を治療する場合、ソフトな治療ではあまり効果が望めません。女性に比べ厚みのある筋肉の深部にアプローチするには、ノウハウが必要です。 筋肉の厚みに慣れていない、鍼を深く刺すことが苦手、長い鍼を刺せない…。そんな鍼灸師だと、表面のごく浅い筋肉に物足りない刺激だけを与えるため、結果的に「鍼が効かなかった」と思われてしまいます。特に、当院で鍼灸とセットで施術する「男性による男性のためのオイルトリートメント」は対応できる者が少ないため、探しているお客様も多いようです。オイルトリートメントを男性限定にしている理由は、最近ニュースで話題になっている施術者のセクハラ問題とも関係があります。女性の場合、デリケートな部分に触れてしまうと問題になる可能性がありますから。
――なるほど。
坪井:個室対応も特徴の一つです。鍼灸院というとカーテンだけで仕切られたベッドがいくつかあって、横に人の気配を感じます。当院は完全入れ替え制になっているため周りには誰もいません。また、鍼灸院に行くと、数人の患者さんを1人の鍼灸師が対応することがありますよね。 鍼を打った後にしばらく打ったままにしておき、その間に他の患者さんに対応するため、お客様からは「鍼を打たれたまま一人ぼっちで不安」という声もよく聞かれます。当院は完全マンツーマン対応なので、そういう心配はほぼありません。特にお灸の場合、火傷の心配があるので、マンツーマンでない鍼灸院の中には、安全上、最初からやらない鍼灸院もあります。
――背中などを除けば、お灸は自分でもできますよね。
坪井:そうです。近くのドラッグストアに行けば販売されています。ネット上にもお灸をするポイントなどが解説されています。ただ、自分でできないところも沢山あるので、そういう時は私たちにご依頼いただければリセットのお手伝いができると思っています。
――いずれにせよ、残業好き社員にはこってりお灸を据えた方がよさそうですね。