ビカクシダ・リドレイの育成について | 中野区東中野の鍼灸院 Five Elements

ビカクシダ・リドレイの育成について

最近、わたしの周りでビカクシダを育てる人が増えています。

ブームか何かなんですかね。

その中でやはり人気なのがリドレイ。

原種の中の一つで、糜角羊歯(ビカクシダ)と言う名前の通り鹿の角のようなシダと言うままの葉の形をしています。

以前もこのリドレイのことについては書いているのですが、わたしもこのリドレイは通算4年くらい育てていて、何回も枯らしています(笑)

苗を三つと成株をひとつ枯らしていて、この株が5個目。

この株はもう2年間くらい育ててかなりの大きさになっています。

このリドレイはビカクシダの中でもかなり育成が難しく、環境が整わないと成長しづらいし、悪条件が重なると一瞬で枯れます。

じわじわと弱っていくと言うよりは一瞬で終わる感じです。

その理由はいくつかあるのですが、そのポイントを書いていこうと思います。

 

植物を育てるときに大事なのは水・風・光ですよね。

そこに気温も入ってくるのがこのリドレイなのですが、この要求量というか要求してくる幅が結構狭いんですよ。

と言うのは、水も好きだし光も好き、なのでこの二つが足りないと元気に育たない感じです。

東南アジア原産なので10度以下の気温になると成長が遅くなるみたいです、ただし気温では一気に枯れることはなく、屋内の気温であれば成長した株の場合は耐えてくれるようです。

ただし、東北の方だときついかもしれませんね。

一番重要なのが風です。

とにかく風風風。

風が足りなくて一気に枯れることはザラにあります。

 

①水について

リドレイというビカクシダは他のビカクシダと決定的に違うものがあります。

それが貯水葉。

貯水葉というのは株もとを覆っているキャベツのような葉ですね。

貯水葉というのは文字の如く水を貯める役割があります、が、このリドレイには貯水機能がないんです。

他のビカクシダの貯水葉はスポンジ状になっていて茶色く枯れた貯水葉に水を溜めます、手で押すとじわっと水が滲んだりします(貯水葉は新しい葉が出ると古い葉は茶色く枯れてしまいます)。

しかしリドレイの貯水葉はスポンジ状ではない為水を貯めることができません。

株元の水苔を乾きにくくする役割しかないんです。

なので、頻繁に水をあげて水不足にならないようにする必要があります。

もうひとつ、他のビカクシダの貯水葉は上部が冠状に開いていて、上から雨の水を取り込むことができるのですが、リドレイの貯水葉は株元を全て覆ってしまうので雨を取り込む場所が中心部しかないんです。

そのために胞子葉(鹿のツノ状の葉)には雨どいのように凹みがあり、雨がそこを伝って中心部に流れていくような構造になっています。

だから上向に葉が向いているんですね。

東南アジア特有のスコールでどかっと雨が降ったらすぐに晴れるような環境に合っているんです。

なので、少量でもいいので水をちょこちょこ補給して、乾かさないように貯水葉で守っているっていう感じです。

貯水葉ではなく防護葉って感じですね。

ティーポットみたいなもので成長点部分にちょろちょろと水を入れてあげてちゃんと中まで水を浸透させるのが大事です。

よくバケツにドボンみたいな感じで水を上げる人がいますが、それはそれでいいと思います。

ただし、次の風の部分をちゃんとクリアできる人がやらないと一瞬で枯れる可能性があるので気をつけてくださいね。

基本的にはカラカラに乾いた状態の重さというのを覚えておいて、少しずつ水を入れ、水で多少重くなったら給水完了というちょっと匠の感覚を覚えた方がいいです。

 

②風について

リドレイの育成で一番大事なのがこれ。

意外と皆さん気にしていませんが、植物が生きる上でとにかく風が大事です。

例えば、花瓶に入れた切り花も風がなくなるとすぐに枯れてしまいます。

気流によって温度調節をしたり、葉から蒸散される水分を流しているのだと思います。

リドレイという植物は木の枝にくっついて生きています。

しかも木の上の方なんですね。

先ほども書きましたが東南アジアが原産なので、スコールが降ってすぐに晴れたらまた風が強い環境になるんです。

そしてこれも上で書きましたが貯水葉に貯水機能がありません。

水を貯めないのでいつまでも濡れていると腐ってしまうんです。

貯水葉が根元を覆っているので、水苔の蒸発を防ぐとともに高温状態だと密閉状態の内部は蒸し器状態になるわけですよね。

だからその蒸れに耐えられずに貯水葉は変色し腐ってしまいます、その腐った部分が周りに影響して成長点や根にまで影響が出ると全部が枯れてしまいます。

これがリドレイを枯らしてしまう一番の原因です。

最高気温が25-7℃くらいの環境であればビッショビショに濡らしても外に置いておけば乾いてくれますが、それ以上の高温だったり風がない室内に置いてしまうと一瞬でやられます。

基本的に涼しい時間帯に水をあげて、かなり風通しのいい状況に置いておかないとダメということです。

室内育成をするならサーキュレーターがないと無理と言ってもいいくらいだと思います。

光と水が多少足りなくても元気が出ないくらいで枯れはしませんが、風がないと枯れます。

表面上は元気そうでも成長点の根が腐ってバコっと外れたりします。

リドレイ自体が人気があるので結構高額な植物なので、それがバコっと外れてダメになった時のショックと言ったらありません(経験済み)。

 

③光について

木の上で生育しているというだけあって光がとても好きな植物です。

ある程度光があたり、それでいて遮るものが全くないわけではない。

この光については現地で採取されたワイルド・リドレイと国内で胞子培養された苗を育てた国産リドレイによっても変わってくるみたいです。

国産リドレイは直射日光に弱いと言われています、が、中株くらいからちょっとづつ慣れさせていけば真夏の直射日光以外はむしろ直射日光の方が元気な印象があります。

一番いいのは薄いカーテン越しとか、すりガラス越のかなり明るい太陽光が元気な感じです。

植物育成LEDライトでも元気に育ちますが、他のビカクシダよりは強めの光を好む印象があります。

胞子葉は光の方向を向くので、横から光が当たったりするとそちらに曲がります。

なので、室内のみで育成する場合は上からLEDを当ててあげると綺麗に胞子葉が生えてくれます。

光はかなり好きだけど、真夏の直射だけは注意が必要という感じです。

 

④肥料について

これも実は大事な気がします。

リドレイは固形肥料を置く場所がありません。

わたしは成長期は週に一度薄めの液体肥料と活力剤を水に混ぜています。

といっても日当たり良好で冬も温室みたいな部屋なので、週1の肥料は通年あげています。

冬でも環境揃えば普通に成長を続けます。

成長の早い観葉植物なので、肥料は好きな方です。

元気に育てるのであれば気にしてみてくださいね。

 

こんな感じでリドレイの育成をしています。

人気のビカクシダなので皆さんチャレンジするのですが、かなりデリケートな部類の植物なので、頑張って枯らさないようにしてみてくださいね!

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