6月が始まりましたね、もう少しすると梅雨が始まります。
昨年の梅雨はとにかく長くジメジメとしていて、木製の家具が多い当院のいたるところにカビが出てしまい、晴れている日はカビを洗い流して天日干しをすることに労力を使う日々でした。
今年はどうなるのでしょうね?
その湿気の湿に関連するお話です。
むくみというのは基本的に湿が入ったり、体の中の湿を外に出せなかったりすることで起こってきます。
この湿というのは陰の性質を持ち、下に溜まりなかなか取れないという粘性があると言われています。
湿というのは便や尿で排出する他に汗などで体外に出すこともできますね。
代表的なものでアルコールというのも湿の性質を持っています。
飲んだ翌日にお腹を下すのは湿を排出しているということなので、正常な作用だということですね。
この湿というのはかなり厄介な部類のものでして、梅雨時期に膝などの関節が痛くなったりするのも湿が悪さをしていることが多いと言われます。
水は空洞に溜まりますよね?関節のすき間に湿というのは入り込むのです。
実際に、むくみがひどい人が足の関節が太くなり足首がなくなってしまうのも体内の水分がそこに溜まるからなんです。
さて、この湿とむくみの関連性なのですが、むくみをなくすためには基本的に湿を出せばいいのです。
西洋医学的にいうと、これも様々な原因があるのですが、足に関して言うとふくらはぎ(腓腹筋)の筋肉の低下がとても多いです。
女性の方で言えばハイヒールが好きな方とかですね。
腓腹筋は第二の心臓なんて言われています、血液というのは体の末端に行った時点で血圧はほぼ無いに等しくなります。
血管というのは動脈と静脈があり、動脈というのは普段ドキンドキンと脈打つ血管です。
これは心臓からの勢いもあるのですが、血管自体に弾性があり勢いよく送り出せるようにしています。
このため、動脈を刃物ではなかなか切れません、良く「鍼が血管に刺さらないんですか?」と聞かれるのですが、主要な動脈は弾力がありすぎて刺さりません。
みなさんが縫い針をゴムホースに刺してみると良くわかります、鍼灸の鍼は縫い針の何倍も細いので、そもそもホースに刺そうとしても鍼が曲がります。
その動脈は最終地点で静脈に変わります。
静脈というのは、血管自体が動脈と全く違います。
血管自体も薄く弾力がありません、足の静脈には実は弁が付いていて、この弁は下から来た血液だけを通し、上から下へは落ちないようになっています。
これは血管自体に弾力がなく、押し上げる力がないので血液が逆流しないようにするためなのですね。
それではどうやって上に上げるのか・・・それが筋肉のポンプ作用です。
ふくらはぎを使うことで血液を上に押し上げるのです。
ふくらはぎというのは、かかとを上げる筋肉です、背伸びをするときに使う筋肉ですね。
ヒールを履いてしまうとかかとが上がったままになってしまいます、それなら背伸びしたままだから大丈夫じゃんと思うかもしれないのですが、それは腓腹筋を使った背伸びではなくて底が高いからかかとが上がっているだけなんです。
ハイヒールではなく、エア・ハイヒールをできるのであれば大丈夫です(笑)
しかし、筋肉というのは伸びたり縮んだりするものですよね?
伸びたときに筋肉に血液が入り、縮んだときに血液は筋肉の外に出されるのです。
買い物袋をずーっと持った手を信号とかで休むために地面に置くと、腕に血が入ってくるのがなんとなくわかりますよね?
腓腹筋もそうやって背伸びしっぱなしではなく、何回も背伸びをすることで血液を送り出すのです。
青竹踏みがいいと言われるのはそのためなんですね。
青竹踏みは血液を送り出す運動とともに、筋肉も強化してくれます。
「青竹ないからできない」なんていう方には、お料理をしながら何回もかかとを上げる背伸び運動をすればいいんです。
日常生活だと階段をつま先だけで登るようにするとか。。。
ちょっとした運動で強化できます。
年を重ねたりすると、全体的な筋力の低下とともに、この腓腹筋が弱ってくるのでむくんでしまうのです。
このむくみは基本的に下半身に出るもので、上半身や顔に出てくるものは深刻なものもあるのでお医者さんで診てもらった方がいいと思います。
東洋医学で言いますと、基本的に梅雨時のように湿邪が入るものや飲食による湿の取りすぎから始まり、ストレスや疲労により肝の陽気が強くなりすぎて脾を傷めることによるむくみなんていうのもあります。
その他には、加齢により腎の陽気が足りなくなることによるむくみというのもありまして、湿というのは肺で外に出すと言う考えもあり、その肺まで湿気を送るためには腎の陽気が必要なんですね。
その陽気が足りないためにむくむものに対して、腎の陽気を補ってあげることで対応するなんて考えもあります。
一言にむくみと言っても西洋織り交ぜいろんな考え方があるんですね。
いろいろ調べてみると、漢方的な見方で湿を外にだす食べ物なんていうのもあるので、調べてみてチャレンジしてみるといいかもしれません。